部屋に入ると男の1人暮らしとは思えないほど、綺麗に整頓された、部屋だ…
「やけに、整頓された部屋ですね…」
「当たり前だろ、女が出入りするんだ。汚い訳がねぇだろ? 」
「あぁ…彼女いるんですか…」
「はぁ?何いってんだ?彼女なんている訳がねぇだろ、めんどくせぇ。」
「え…?じゃぁ……」
「ハイハイ、お子ちゃまは知らなくていいの。突っ立ってないでさっさと座れ。」
この人とんでもない人だ……
「あ、はい。」
そう言われソファに座ると虎太さんは台所の方へ向かった。
戻って来た虎太さんの手には冷たいオレンジジュースとアイスコーヒーが入ったグラスを持って来て、オレンジジュースを私の前に置いた。
「あ、ありがとうございます。」
「おう、葵、今夏休みだよな?」
葵と呼ばれ少し驚いた。
「はい、そうですよ。」
「ん、…んじゃ明日でかけるから、そのつもりでいろよ?」
「あ、はい、分かりました。」
出かけるってどこいくんだろう?


