「でも、ホント惜しかったね!」 俺は、奈緒の手を掴んだ。 「ちょっとー!ただの冗談でしょー?」 奈緒がふくれっ面をした。 奈緒がこうも騒ぐのは、まあ、俺らがこんなにくっついたことがないから。 今まで、ずっと料理してもらてるけど、いつもは俺、台所に入ってこないからね。 「たまには、いいじゃん」 「いいじゃん、って、何が!?」 奈緒が俺の手を振り払った。 俺は奈緒の肩に手を置く。なんで俺らは…こんなにも距離があるんだろう。