理性を保つのがやっとだ。 俺は奈緒の手に触れた。 慌てて奈緒が離れる。 「奈緒」 「ごめん、つい…」 なんで謝るんだろう。 「なんでいつもお前はそうなんだ。抱きしめれば嫌がるし、夜も泊まってかない。なんでなんだ…?普通の恋人たちは夜をともに過ごしているってのに」 俺の言葉に奈緒は黙っている。 俺たち、いつまでこのままなんだろう。 いつまでこのままでいられるんだろう? 「…」 奈緒がまた抱き着いてきた。