【BL】 初恋は実らないもの?






それから毎日、用事もない図書室へ行くようになった


興味もない本を1冊持って、先輩の席からはとても遠いけどしっかり姿の見える席に座り、盗み見していた


まあ、ストーカーと言われてもおかしくないこの行動


それでも、日に日に惹かれていくのは自分でもわかった


しかし、俺はたまに寂しくなる


だって俺は、先輩のことを何も知らないから



名前と1つ上の先輩であること。

放課後は遅くまで図書室にいること。



...あと、何を知っているんだろうって


そう考えながら、先輩を見つめていると、先輩と視線が交わった


今にも吸い込まれてしまいそうな透き通った真っ黒な瞳。

今は俺だけに注がれている強い眼差し

初めて合ったその目は、とても綺麗に見えた


先輩が席を立ち俺はハッとして、急いで視線をそらし、自分も立ち上がる