その携帯に背中を向け、耳を塞ぐ
俺って、本当にばかだよな
音なんて消してしまえば、聞こえないじゃないか
アドレスや番号を変えてしまえば、連絡は来ないじゃないか
そこまでできないのは、今目から溢れ出しているものも関係しているのだろう
「先輩...」
目を瞑れば、いつだってそこには先輩がいた
俺は、あと1年と4ヶ月先輩を避け続けるのか
きっと無理だ
そう思ったとき
「理久~。ちょっと話あるから降りてきなさーい」
なんだよ、こんな時に。
そう思いながらも、重い体を起こして俺は1階のリビングに足を向けた


