「なんだそいつは」
まるでそこら辺のごみを見るような目で、俺を見る先輩のお父さんの視線がひどく痛い
「まさか、付き合ってるのか?男同士で??こりゃあ傑作だ!とうとうお前もおかしくなったか!現実を見ろ。」
「てめぇには関係ねぇ」
今までに聞いたことのないほど低い声で先輩はそう言うと、適当に俺に服を着せ、部屋を出た
そして家を出ようとした廊下を歩いていると、家中に響き渡るぐらいの声で、恐ろしい声と言葉が発せられた
「昇。お前には婚約者をつくった。男同士で付き合うなどという非現実的なことはやめて、早くその子と結婚してくれ。向こうはひどくお前を気に入ったみたいだから、今更白紙なんて無理だからな。君も昇を思うなら、別れてあげてくれよ。どうせ、その感情も一時なんだから」


