菜々美の顔から笑顔が消えた。

もう2人に残っているのは、意地だけだ。



「寂しいかどうかは私が決めるの。
時間が勿体ないからさっさと行ってきたら?」

「だからついて来いって言ってんじゃん。お前が来たら終わるんだよ!」



ギリギリと、菜々美の手に力が加わっているのが分かる。


だけど、掴まれている由紀の手の指先は
ピクリとも動かない。