俺とあずは廊下を歩いていた。

もし、このまま教室に行くとどうだろう。

絶対からかわれるに決まってる。

俺はまだしもあずが心配だ。

「なぁ、あず?」

「ん?なぁに?」

「先に教室返っててくれない?俺用事思い出したし。」

「うん。分かった。じゃぁまたあとでね。」

「おぅ。」

やっぱりあずは素直すぎる。

ああいうところにひかれるんだよな。

俺はあずが教室へと行くのを見守り、もう一度屋上へ行った。

風が心地よく吹いている。

俺はふと思った。

「あずに前もあった気がする。」

そうつぶやくと俺は、昔のことを思い出していた。

『そういえば、俺幼稚園の時1番背が低かったっけ?

年長の時は結構覚えている。

その頃が初恋をした年だっけ?

あれ、待てよ。初恋した人って誰だっけ?

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・あず。

あの笑顔、あのえくぼ、あの髪・・・。

あずだ。

俺は前にもあずに会ってたんだ。

それで、小学校が離れてまた会うことができたんだ。』

自分でも驚いた。

あずは覚えているのだろうか。

覚えてたらあんな態度じゃないよな。

こんなことを考えてたら、結構時間がたっていた。

「やべっ。遅くなりすぎた。」

俺は急いで階段を下り、教室へと急いだ。

「セーフ!!」

俺は大きな声で言った。

みんなに思いっきり笑われた。

ま、俺的にはそっちの方が楽しいからいいけど。