晴れときどき雨

私は勢いよく教室の戸を開けた。

ガラガラッ!

意外と大きな音だったけど

みんなの騒ぐ声のほうが大きかった。

「ふぅ。何とか間に合ったぁ。」

そうつぶやいた。

荷物を片づけ、ゆっくり読書でもしようかと思った時

勢いよく誰かに自分の机を思いっきり叩かれた。

顔を上げるとそこには楓とそのいじめ仲間の人たちが2名ほどいた。

「何??」

「あんたさぁ、橋山くんと仲がいいみたいねぇ。」

「昨日も傘を借りたらしいじゃない。」

「そ、それは。てか、なんで知ってるわけ?しかも借りたんじゃなくて向こうからです!」

「とぼけた顔をしてんじゃないわよ。どうせそんなのウソでしょ?顔に書いてるよ。か・お・に。」

そういうと楓は私に殴りかかろうとしてきた。

私は急いで腕で顔を覆った。

あれ?殴られない。

見てみると・・・。

「橋山くん。。。」

「野口お前何してるんだよ!何が起きてるかしらねーけど、そんなふうに人を殴ったりするやつは嫌いだ。」

橋山くんは楓の腕を力強くつかんでいる。

「痛いよ。橋山くん。」

「小村だってそんな思いをしてるんだよ。なぜ人の気持ちがわからない。」

そういうと橋山くんはもっと力強く握っていた。

私は思わず、

「橋山くん、もういいから。悪いのは私だから。だから・・・楓の腕を離してあげて。」

橋山くんは静かに手をおろした。

一安心したと思えば橋山くんは私の腕をつかんで、勢いよく教室を飛び出した。