「えーっと、山之内勇です。

今日からこのクラスの担任になりました。

よろしくお願いします。」

まじか。

クラスがざわざわしてきた。

その時、

『ガラガラ。』

扉が開く音がした。

音が聞こえたほうを見てみると、

そこには、背が高くすらっとしていて髪がぼさぼさの男子が入ってきた。

「橋山新君だね。新君はあの席だよ。」

と、山之内が芯のない声で話していた。

橋山新が動き出したかと思うと、隣の席に座った。

嘘。となり!?

しばらく無意識に見つめていると橋山新はこちらを見て

「何かついてる?」

と笑顔で聞いてきた。

「いや別に・・・。」

「あ、そう。」

そういってまた笑顔を作って前を向いた。

なぜだろう。

橋山新は笑ってなんかいない、泣いている。

そんな気がした。