私だけのヒーロー

何本もの線が腕にはあった。



「私もあるよ。リスカのあと。」


私は自然にその子に自分の傷を見せていた。



「痛そう。」


隣から愛斗がそう言ってきた。



「痛いよ。すごく。


けど、もっと痛いんだよ。いじめの方が痛い。」



「櫻木くん。この傷はね、痛みを消すためのものなんだよ。」



「なんで自分の体傷つけるんだよ。俺にはわかんねぇ。」



「いじめられたものにしかわかんないよ、愛斗。この傷は。」



そう言っとき、いきなり過去をはなしてくれたこ男の子が謝ってきた。