あなたにあえたから...

他人からどう思われたかなんて気にしていたらきりがないけれど、あまりいい気はしなかった。
私はさっきよりも早足になって歩き出した。しかし、普段から全くと言っていいほど運動をしていない体はすぐにバテはじめ、元のスピード以下の速さで歩くこととなった。
運動不足の体と先ほどの2人組にイライラしてちっと舌打ちしたくなったが、誰かにみられたらややこしいのでやめた。
そして、とうとう校門が見えてきた。


あぁ…着いてしまった。
私の居場所ではないところに。

嫌々イヤホンを外した。
唯一のここでの息抜きを引き抜いた私は見えない心の仮面をかぶる。

「いい子ちゃんモード発信」

心でつぶやき自分を組み立てはじめる。
すれ違う顔しか覚えていないような子にもつくった笑顔で挨拶をする。