「綾さんと...お子様は...?」
あの頃と変わらず、彼の左手の薬指にはシルバーのプラチナリング。
綾さんと上手くいってる証。
「あ、あぁ..女の子が産まれたよ」
「そうなんですね。課長と綾さんのこどもなら、きっと可愛いんでしょうね。名前は?」
課長が気にしなくて済むように、私は出来るだけ明るく振る舞う。
そんな私を気遣いながら、課長は私の質問に返事をしてくれた。
こうして久しぶりに見たあなたは、更に素敵になっていて、高鳴る胸を抑えるのに必死だった。
表情の端々が碧のそれと重なって、胸がいっぱいになる。
だけど。今でもあなたを愛しているということは悟られないようにしなきゃいけないから。
碧のことを知られるわけにはいかないから。
だから。
私は自分の心をひた隠しにする。
