「素敵な所ですね」
窓から空と海を見ながら言った。
「そうでしょう?妻がこの町に住みたいと言い出したときは正直どうしたものかと思いましたが、思い切ってここを建ててよかったです。海の幸や山の幸も美味しいですし、都会にはない良さがあって、今では私の方がここを気に入ってるかもしれません」
そう言って爽やかに笑う真柴氏。
...........。
あれ...?
「あの...どこかでお会いしたことありませんか....?」
「え?」
勘違いじゃ...ない。
俺は真柴氏を知っている。
どこで...。
どこで会った...?
記憶を辿ってみたものの、すぐには思い出せず。
少しの間をおいて。
「....っ!あ...あの時の.....」
息を飲む真柴氏。
「まさか、海堂物産の社長があなただなんて...奇遇ですね」
真柴氏からどこで会ったのかを聞かされ、あの南の島の記憶が蘇る。
あの海、空の色。
そして...美空のこと。
