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スラッと伸びた足、品のいい黒のスーツにネクタイ、そして大人の香り....。
さっき、ぶつかった人が、そこにいた。
「こいつ、俺の学生時代からの悪友の海堂大和。もともと、こっちにいたんだけど、ここ5年ほど九州に行ってて。で、やっと本社勤務になって戻ってきたんだ。――――で、こっちが嫁の久香」
「海堂です。この度はおめでとうございます」
低くて深みのある声。
「ありがとうございます。久香です。海堂さんのことは、彼から色々と聞いてます」
久香がそう言うと、
「えぇ!そうなんですか?悪口ばっかりでしょ...ったく。」
と、少し困った素振りを見せる彼は、さっきの無愛想な男と同一人物だとは思えない。
