「僕たちでよければ、話を聞くよ?」
二人の優しさが嬉しかった。
誰にも相談できずに、一人ぼっちだったから。
久香にすら何も言えなかった。課長と翔さんの関係を考えると、言うことが出来なかった。
だけど、本当は...久香に聞いてほしくてたまらなかった。
心の奥底で感じていた『孤独感』。
だから、二人にそんな風に言ってもらえて嬉しかった。
「私...」
涙が落ち着いてから。
私は彼らに話した。
課長のこと、修一さんのことを。
不倫の関係だったこと、レイプされたことも、全てを。
途中で何度も涙が溢れ出てきて、話に詰まったけれど、薫さんと葵さんは何も言わずに、ただじっと話を聞いてくれた。
話し終わった後、葵さんは泣いていた。
