青のキセキ



二人は次の日も会いに来てくれた。





二人の名前は、旦那様が真柴薫さん、そして奥様が真柴葵さん。

歳は葵さんが私より二つ上で、薫さんが葵さんの三つ上だそう。



彼らが住んでいるのは、偶然にも私が住んでいた町からそんなに遠くない所で。


近々、小さな港町でプチホテルを経営する予定だそうで、旅行から帰ったら新居を兼ねたプチホテルの方へ引っ越すのだと言う。

薫さんは亡くなったお父様の会社を継いで大きなホテルチェーンの経営に携わっているらしい。だけど、海の近くに住みたいと言う奥様の言葉に、この度、思い切ってプチホテルを建てることを決めたのだと言った。




「都心部だけでなく、リゾート地でもホテルを経営できたら...と考えていたところだったのでタイミング的にもよかったんです。なので、その前にゆっくりと旅行でも...と思ってこの島へ来たんです」


そう話す彼らに、


「...羨ましいです。お二人が...」


と、思ったことを口にした。



「愛する人とずっと一緒に居られるなんて、本当にお幸せですね」



それに比べて、私は...。




課長のことを想うと、涙が出そうになる。













「美空さん。私もね、死のうとしたことがあるのよ」











少しの間をおいて、葵さんの口から飛び出した衝撃的な事実。