「実際の所、お前はこれから遥菜ちゃんとどうするつもりだったんだ?」
「俺は......」
美空と共に未来を歩みたいと思っていた。折を見て綾と別れようと思っていた。
心の奥底では、美空と一緒になりたいがために、出来ることならば綾と離婚したいと思っていた。勿論、綾が望むなら子供を認知し、養育費だって払う。それが許されるなら、そうしたいと...。
だが、過去に何があったにしろ、綾は俺の妻だということはどうしようもない事実。身籠っている妻を、俺の身勝手な気持ちだけで見捨てていいものか。
綾の妊娠を知り、動揺した俺は...綾と別れることを躊躇った。
自分の中で答えが出ていない問題を翔に聞かれても、俺は即答できなかった。
すると、翔が深い息を吐いた。
「お前が綾とのことを悩むのは当然だよ。腹に赤ん坊がいると言われたら、そりゃ仕方ないよな。でも...俺の質問に即答できない時点で、お前は綾とは別れられないよ。綾を捨てるってことは、赤ん坊も放り出すことになるんだからな」
翔の言葉が胸に突き刺さる。
確かに...俺は翔の問いかけに答えられなかった。
翔の言うとおりだ。
でも...美空と別れたくない。
俺が愛しているのは美空なのだから。
