結局、美空の居所は分からないままで。
美空が自ら命を絶とうとしていても、居場所が分からない俺たちは何もできなくて。
警察に電話しても、やはり同じで。
早く美空の無事を確認したいのに確認する手段がなく、己の無力さを痛感した。
その後、どうすることも出来ずに店に戻ってきた俺達は、ただ黙って椅子にすわっていた。
「一花、寝たって」
母親と電話で話していた翔が久香さんに言った。
「そう...」
「このまま今晩一晩、実家に一花を泊めてもらうことにしたよ」
「うん...」
言葉少なく返事する久香さんの様子から、彼女自身が美空のことでかなりショックを受けているのが分かる。
美空は久香さんのことを家族だと言っていた。
なのに、その久香さんにさえ何も告げずに姿を消した。
美空...頼むから無事でいてくれ...。
バカなことは考えないでくれ...。
重い空気が辺りを漂い、しんと静まり返る店内。
「なあ、大和」
そんな雰囲気の中、翔が口を開いた。
