空港を出て、さっきタクシーで通った道を歩いて戻る。



覚悟していたとは言え、やっぱり胸が張り裂けそうに痛くて仕方がない。


まるで身体中を八つ裂きにされたように心が痛くて。






これでよかったのだと何度も自分に言い聞かせて、私は歩き続けた。














――――――――......













波の音が心地いい。




空と青が溶け合った『青』と波の『白』のコントラストが本当に素敵で何度見ても感動する。胸がいっぱいになる。






周りを見渡せば、数人の観光客と思しき人々の姿。



やはり、目の前に広がる神秘的で雄大な景色に圧巻されているよう。




所々で感嘆の声が上がるのが聞こえる。










少し離れたベンチに座り、瞳を閉じれば。





波の音が私を満たす。



















この二日間は本当に夢のような時間だった。



課長と二人、手を繋いで並んで空の下を歩き、ずっと二人で過ごした二日間。




今、どの辺りの空を飛んでいるのだろう...。







もう一度空を見上げれば...そこには遥に広がる真っ青な空間があるだけ。





綺麗な青空。









同じ空の下、私は...あなたを想い、涙を流す。