課長の後ろ姿が段々と小さくなってゆく。
あなたの後ろ姿が好きだった。
あなたの後ろ姿を見送ることしか許されない私達だったけれど、それでもあなたのそばにいたかったの。
そんな私が、最後に人目を気にすること無くあなたと並んで歩くことが出来た。
もう二度とあなたの後ろ姿を見ることは無い。
もう二度とあなたの温もりを感じることは無い。
これで...本当にお別れ。
課長の姿が見えなくなった途端、堪えていた涙が溢れ出す。
頬を伝う大粒の涙。
別れを選んだことに後悔はない。
こうすることがあなたにとって一番だと思ったから。
綾さんと綾さんのお腹にいるあなたの赤ちゃんの為にも。
なのに。
今すぐにあなたを追い掛けたい衝動に駆られる。
大声であなたを呼びたくて。
行かないでと叫びたくて。
唇を噛み締め、スカートを握り締めて必死に耐える。
