再びタクシーに乗り、空港へ到着。
搭乗手続きを済ませてベンチに座る。
賑やかな空港。家族連れやサラリーマン風の人、恋人同士だと思われる男女、様々な人がいる。
赤ちゃんを抱っこしたママを微笑ましそうに眺めるパパ。
見るからに幸せそうな家族がすぐそばに座った。
小さい赤ちゃんを守るパパとママ。自分たちの赤ちゃんを二人で協力して育む彼ら。
きっと、課長と綾さんもそんな家族に戻れる...。
彼らを見つめる私を、課長が切なそうな表情で見る。
「課長、家族っていいですね」
「...え?」
「辛いことや悲しいことがあっても、すぐそばで支えてくれる。好きな人と結婚して赤ちゃんが出来て...家族が増えて...自分の命が繋がっていく...。家族って、素敵ですね...」
幸せそうな家族を見て、私は言った。
「美空...」
ちょうどその時。
搭乗開始のアナウンスが流れた。
「あ、時間ですね...」
課長にそれ以上何も聞かれないよう、私は腰を上げた。
