青のキセキ



約束の日。


綾はベビーグッズを見に行きたいと言った。


ていうか、まだ早すぎんだろ...。ついこの間妊娠が分かったばかりだというのに。





そんな俺の心を察したのか、


「だって、嬉しいんだもの。やっと授かった赤ちゃんなんだから。マタニティ雑誌も買っちゃったわ。ほら」


そう言って、本の入った袋を見せる。



内心困ったと思いながらも綾に反論できず、言われるがまま近くのベビーグッズのお店へ行くことになった。




綾と二人街中を歩いている間、ベビーカーを押している女性やお腹の大きい女性、そして赤ちゃんや小さいこどもにやけに目が行く自分がいた。これも綾の妊娠をしったせいか。



無邪気に笑うこども。ベビーカーを押しながら幸せそうに笑う女性。弱々しくて触れたら壊してしまいそうなのに、大きな存在感を感じさせる赤ちゃん。








綾がある店の前で歩みを止め、品物を見始めた。


ご機嫌で商品を見ている綾を横に、俺はその場で外を見ていた。


お腹の中に命を宿した綾と違って俺自身は何も実感がなく、これから先のことを考えるだけでも憂鬱な状態でベビー用品など見る気も起きなかった。


心の中にあるのは美空のことだけ...。