食事を終えて店を出た私たちは、そのままタクシーで私のマンションまで帰ってきた。
「紅茶でもどうですか?」
タクシーから降りようとしない課長に聞いてみる。
「今日はお前も疲れてるだろうから...今度にするよ」
課長の乗ったタクシーを、見えなくなるまで見送った私は一人部屋へ帰った。
溜息を吐くのは何度目だろう。
結局、綾さんの妊娠について課長がどう思ってるのかを聞くことができなかった。
彼も言おうとしなかった。
きっと、彼も言えないんだ。
部屋で一人、色々と思いを馳せるも出口なんてあるはずもなくて途方に暮れる。
