青のキセキ





――――『blue bird』で課長を待つ間、頻繁に吐き気に襲われながら、ひたすら我慢する。



会社を出た後、待ち合わせの時間まで時間があったので、産婦人科で検診を済ませた。




お腹の赤ちゃんは、順調に育っているとのこと。モニターに映し出された、赤ちゃんの映像を思い出す。


愛しさがこみ上げる。自然とにやけてしまう。






だけど...次の瞬間に思うことは、綾さんのこと。






きっと、綾さんも今幸せを感じている筈。愛する人の子供が自分のお腹にいる喜びを。





課長にもらった腕時計で時間を見れば、そろそろ約束の時間。



時計を見る度に修一さんのことを思い出すけれど、それ以上に課長がくれたプレゼントだと思うと他の時計を身に付ける気にならなくて。




もうすぐ彼が来る。




どんな顔してる...?




綾さんの妊娠を知って以来、二人きりで会うのは初めてだから...気持ちが落ちつかない。





何を話せばいいんだろう...。