――――――翌日の夕方。
午前中に書いた退職願と、家を出てから買った菓子折りを持って会社へ出向いた。
企画部の部屋へ入るなり、みんなが私の元へ寄ってきてくれて口々に心配してくれた。
「痩せたんじゃない?」
佐山さんが心配そうな顔で私を見た。
確かに、体重が3kg減った。修一さんとのことも原因の一つではあるだろうけれど、痩せた一番の理由はつわり。
「まだ体調が戻らなくて...」
そう言ってみんなに誤魔化しながら、部屋の中を見渡せば、課長と視線が――――重なった。
――――ドクン
と高鳴る胸。目が合うだけで、まだこんなにもドキドキする。
皆の手前、軽く頭を下げ、まずは部長の元へと歩を進めた。
