店を出た私は、早く店から遠ざかるために急ぎ足で大通りを目指した。 綾さんの幸せそうな顔が脳裏に思い出され、胸が苦しくてたまらなかった。 風に靡く大粒の涙...。 「美空!」 私を呼ぶ声と同時に掴まれた腕。 振り返ると、そこに居たのは......。 「課...長...」