「ねぇ、遥菜。これからどうするの...?あんなことがあったばかりで、辛いだろうけれど赤ちゃんのこともあるし...」
「...課長がね、毎日メールくれるの。愛してるって。それが嬉しくて...。課長の元へ戻りたいと思う。でも、赤ちゃんのことを隠し通すなんて出来ないでしょ...?綾さんがいると分かってて、赤ちゃんのことを課長に話すなんて出来ない。だから...どうしたらいいのか分からないの」
課長を愛してるから、彼を苦しめたくない。
「...遥菜ちゃん。妊娠してることを大和に言ってみたら?」
翔さんが言った。
「大和を困らせたくない遥菜ちゃんの気持ちは分かる。だけど、あいつはきっと喜ぶと思うよ。それに、今まで進展のなかった綾との関係が変わるかもしれないだろう?」
それは、課長と綾さんが別れる方向へっていうこと...?
「この前、大和がここへ来たんだ。その時に全部聞いた。あいつが綾と...」
翔さんが言葉を濁す。
きっと、課長が綾さんを抱いたことを言っているのだろうと思った。
「そのことを遥菜ちゃんに話したっていう事も聞いたよ」
「大和が愛しているのは遥菜ちゃんだから、赤ちゃんが出来たことも話してほしいと思うよ。俺があいつの立場だったら話してほしいと思う。遥菜ちゃんに隠し事をしてほしくないから、大和も全部遥菜ちゃんに話したんだろうし」
翔さんの言葉が胸に突き刺さる。
『隠し事はしてほしくない』
胸が痛かった。
私も課長に隠し事なんてしてほしくないから...。
だけど...。
「悩む遥菜の気持ちも分かるけど...。遥菜だけの問題じゃないんだよ?父親は海堂さんなんだから。二人の赤ちゃんなんだよ?」
久香が私の肩を抱いて言う。
「遥菜。今回のことは事故に遭ったと思って早く忘れて、前へ進もう?私も翔ちゃんも協力するから」
