そんなある日、久香が『店に御飯食べにおいで』と電話をくれた。
電車に乗ることに抵抗を感じたものの、色々と相談したいこともあったし、行くことにした。
幸い、電車は空いていて思っていたより平気だった。
駅から歩いていると、お店の前で久香が待っていてくれた。
「ちゃんとここまで来れたね」
一花ちゃんを抱っこしながら、そう言って笑う久香。
「うん。ありがとう」
久香の優しさが身に染みた。
きっと、私のことを思って店に来いと言ったんだ。いつまでも引き込もってばかりいられないから、私を外に出すために。
私を奮い起こすために。
今日、こうしてここまで一人で来ることが出来たお陰で、日常生活に対する恐怖心が少し和らいだ。
久香のお陰だ。
