「きゃ!!」
腕を掴まれ、ベッドに投げ倒される。
「止め...」
必死で起き上がろうともがいても、手を抑え付けられて身動きがとれない。
「金持ちで親バカな父親が、娘のために病院を建てるから、俺に後を継いで欲しいって言い出してさ。俺にとっては、またとないチャンスで二つ返事で養子にも入った」
抑え付けられた手に力を入れて抵抗を試みるも、男の人の力には敵わなくて。
「でも、一つだけ心残りがあってさ....お前の身体、忘れられないんだ」
――――刹那。
耳に感じる、生ぬるい感触。
「嫌ぁ!!」
「お前も俺のこと、忘れられなかっただろう?」
音を立てて私の耳を舐める彼。
気持ち悪い。
「止めて...あなたのこと...なん..て...忘れてた...」
嘘。
忘れてたなんて嘘。
あなたのせいで、私はとてつもない悲しみを味わった。
あなたのせいで、苦しんだ。
夜も眠れず、睡眠薬を服用した日々。体に残る煙草の後を見る度に、今でも胸が締め付けられる。
でも、そんな私を課長が救ってくれた。
課長のおかげで、修一さんのことを過去のことだと思えるようになった。
なのに...。
