青のキセキ




受話器を戻し、放心状態に陥る私。



どうしてこんなことになったの...?



あのとき、時計を外しさえしなきゃ.......。

自分の愚かさが悔やまれる。




家に帰ってからも、時計のことが気になって。


結局、一睡もできない夜を過ごした。











それから一週間。落ち着かない日々。


仕事中も時計のことが気になって仕方がない毎日。



課長が出張中であることが、今の私にはありがたかった。



時計がないことを知られなくて済むから。






パソコンにデータを入力しながら、電話が鳴るたびにビクッとする。



久香に相談しようと思ったけれど、一花ちゃんの育児とお店の手伝いの両立で大変そうな姿を目の当たりにして、何も言えないまま。



この一週間、時計のことが気になって、あまり眠れなくて。


4日後には、データを渡すために修一さんと会うことになっている。



そのときに時計を返してくれればいいけど。




そんなことを考えていた、その時。



「美空ちゃん、外線1番に佐伯さんから電話だよ」


春山さんが私の方を見て言った。



「あ...はい」



速く返して欲しいから彼からの電話を待ってた筈なのに、いざ電話がかかってきたと知り、体が強張った。




「お電話代わりました。美空です」


「俺だよ」


「...お世話になっております」


「明々後日の夜、空けとけよ」


「え?」


「時計、返して欲しいんだろ?」


「...で、でも...」


「――――ホテルの1105号室で待ってる。仕事が終わったらすぐに来い」















ホテルって...どうして。


他人に見られたら困るから...?




でも、時計だけはどうしても返してもらわなきゃ。





私はどうしたらいいの...。