━━━夕刻。
試作品作りの後片付けを終え、ホッと一息。
後は、お菓子とスイーツについてデータにして渡すのみ。
それで、私達企画部の仕事はおしまい。
やっと終わる。
修一さんと再会したときはどうなるかと思ったけれど、何も起こらずに済んだという安心感に包まれていた。
「あれ?」
帰ろうとした時。
時間を確認しようと腕を見て、時計がないことに気付いた。
え…?何で…ないの?
…そういえば。
試作品作りの際、水に濡れたら困るからと外したことを思い出す。
確か、机の上に置いた筈。
帰り際、試作品作りをした部屋へ寄った私。
でも。
そこに、時計は無かった。
どうしてないの?
ここに置いたはずなのに。
必死に周りを探すものの、どこにも見当たらない。
机の下、ゴミ箱、棚の中、部屋中を這いつくばって探す。
課長に貰った、大切な時計。
どこにあるの?
どうしよう。
このまま見つからなかったら、どうしよう…。
そんな不安に苛まれ、涙が浮かぶ。
探さなきゃ。
その時。
「美空ちゃん!こんなとこにいたの?探したのよ」
と、佐山さんが部屋に入ってきた。
「すいません。忘れ物をして…」
「佐伯さんがあなたに用があるみたいで、電話があったの。折り返し連絡すると言ってあるから、電話してもらえる?」
佐山さんの言葉に、胸が凍り付く。
「さ、佐伯さ…ん?あ…の…宏一さん…ですか?」
そうであって欲しいと思いつつ、確認してみる。
でも、佐山さんからの返事は私の願いとは正反対のものだった。
「修一さんよ」
ドクンと大きく脈打つ心臓。
少しずつ速くなる脈拍。
