青のキセキ



部屋の中には、大きな応接セットがあって。

ソファに、宏一さんと奥様らしき女性が肩を並べて座っていた。


そして、その横に……彼は居た。


私の方をじっと見る修一さんの横には、小柄な女性。


「わざわざ、来てもらって申し訳なかったね。妻と娘に会うのは初めてですよね。これが妻の幸子、そして、娘の美咲です」


宏一さんに紹介され、私と佐山さんも自己紹介をして、挨拶を交わす。




修一さんの奥様の美咲さんは、とても可愛らしい雰囲気の女性で、小児科医にぴったりだと思った。セミロングでふんわりとしたカールのかかった髪がよく似合っている。



「初めまして。美咲です。私の我儘が、まさかこんなに大きな話になるなんて...親バカな両親で恥ずかしいです」


少し歯に噛んだ笑顔をみせた美咲さん。



「とても素敵なご家族で羨ましいです。そんなご家族のお手伝いが出来て、我が社としても光栄です」


佐山さんが言う事を聞いていて、私もその通りだと思った。



修一さんとのことを除けば、本当に素敵な依頼だから。