石川が戻ってきて、少し経ったとき。


美空が目覚めた。


一瞬、何が起きたのか分からないような感じの彼女に、倒れたことを言うと。



美空の体調が心配だ。



このまま帰して大丈夫か?



石川も、かなり心配している様子。


そりゃ、好きな女が倒れりゃ、誰だって心配するよな。







『大丈夫です』と...。

『DVDを見ていて睡眠不足だったから...』と嘘を吐いて気丈に振る舞う美空。



俺を心配させないための嘘。


俺のために、嘘を吐いてくれてるんだと分かってる。







美空。






ごめん。嘘吐かせて、ごめん。











膝の上で、拳を握りしめる。










その時、部屋のドアが開き、綾が入ってきた。