控室にて。
涙を流す綾を椅子に座らせ、俺も横に座った。
ただただ、綾が泣き止むのを待つ。
「大丈夫か?」
綾が落ち着いた頃を見計らって声をかけると、
「えぇ」
と小さく頷く綾。
「そろそろ葬儀が始まる。会場に行こう」
腰を上げ、入口の方へ歩こうとすると、背後で大きな音が聞こえた。
ガタンと音を立てて倒れる椅子。
何事かと思い、後ろを振り向くと、綾が膝を床につき、今にも倒れそうになっていた。
「おい!綾!」
慌てて綾の側へ駆け寄り、腕を掴む。
「ごめんなさい。少しよろめいただけよ」
青い顔で力なく微笑む彼女はとても小さくて。
綾の身体を支えながら立たせ、ふらつく彼女の肩を抱きながら、会場へ行くために部屋を出ようとドアを開けた俺の目に入ったのは...。
部長と石川、そして――――
美空の姿。
