「企画部のみんなに何買いますか?」
色々なお店を見ながら、課長に訊いてみる。
「うーん、そうだな...。お菓子とかかな」
「そうですね。お勧めありますか?」
「日持ちするものなら、福太郎のめんべいとかいいと思うよ」
「じゃ、それにしましょうか?」
「そうだな」
「久香には何がいいかな...」
「単身赴任中、翔に何度か明太子送ったことがあるんだ。結構喜んでたよ」
「それなら、翔さんと久香には明太子にします」
「無難だな」
というわけで、お土産を購入。
結局、お土産代も別々に買う必要もないだろうと、課長が出してくれた。
何もかも、課長に甘えっぱなし。
「綾さんにお土産買わなくていいんですか?」
ふと気になった。
「いいんだ。出張のこと知らせてないし」
「そうなんですか」
「ごめんな」
と、課長が小さく呟いたことは気付くはずもなく。
空港へ行くまでの時間、私は課長とウィンドウショッピングを楽しんだ。
