青のキセキ

午後4時。

親睦会終了。


みんなで協力して後片付けをした後、部長の挨拶で解散。


佐山さんに事情を説明し、帰りは一緒に帰れなくなったことを謝ると、佐山さんも今から春山さんと飲み直すとのことだった。

みんなに挨拶をして、久香と翔さんのいる所へ行った。

「お待たせ。どこでご飯食べるか決まってるの?」

「まだだよ。4人で決めようよ」

え?4人?


「久香、3人じゃないの?4人て誰…」

久香に残りの1人が誰なのかを聞いている途中で、翔さんと課長がこっちへ来るのが見えた。




もしかして…。



胸がドキドキするのを感じながら、久香に確認する。


「もしかして、後の1人は課長なの?」


「うん。そうなの。黙っててごめんね。翔ちゃんが4人で飲み直そうなんて言い出して」


「私、やっぱり帰…」

「お待たせ~。さ、どこ行く?」

帰ろうとした私の言葉を遮るように、翔さんが言った。

「大和、車だからさ、一度大和のマンションに車を置きに帰ってから行くことになるけど」

「翔ちゃん、綾さんは?」

久香が聞くと、課長が翔さんの代わりに答える。


「電車で家に帰ることになった。もう駅のほうへ歩いて行ったよ」


「じゃ、とりあえず大和の車に乗り込め~」

翔さんが勝手に指揮をとる。


(はぁ~)


課長の溜め息が聞こえたかと思うと、

「さ、行くか」

と、私の手からお重を包んだ風呂敷を取る。


「あっ、すみません」

「気にするな。お前も翔に無理矢理誘われたんだろ?」

「いえ...」


課長が来るなんて知らなかったなんて言える筈がない。



「荷物、これだけ?」

「あ、はい」



駐車場に停めてある課長の車のところまで課長と並んで歩く。

翔さんと久香は少し前を歩いていた。


「おにぎり、美味かったよ」

ふいに課長が言った。


「美空が作ってきたおにぎり、すごく美味かった」


「え?どうして私が作ったって分かったんですか?」


「佐山が教えてくれたんだ。俺が食べたやつが美空が作ったおにぎりだって」


「そうなんですね。課長の口に合ったみたいでよかったです」


朝おにぎりを作りながら、課長に食べてもらえるかどうか悩んでいたのを思い出す。