青のキセキ

翔さんがテーブル席の片づけを始めた時、久香が戻ってきた。


「ごめ~ん!店長からだったんだけど、サロンのアルバイトの子が辞めたいって言ってるらしくて...」

席について、そう言ってから、ジョッキに残ってたビールを飲む。


「あれ?もう私たち2人だけ?」


他のお客さんがいない事に気付いて、周りをキョロキョロと見渡す久香。










「――――――――――久香、あのね......」





意を決し、私は久香に彼のことを話し始めた。


彼の暴力の事、優しい時もある事、暴力の後は優しく抱いてくれる事、そして、今まで久香に言えなかった事...。


全てを。