青のキセキ

「私と大和は同じ学部でね、私は大和を見てすぐに恋に落ちたの」



――ズキン


綾さんの言葉に、胸が詰まる。




「でも、大和は女の子に興味がないみたいで、男の子の友達とずっとつるんでた。3回生の時に、大和と同じゼミになったの。ゼミのグループが一緒になって、一緒にいる時間が増えて。思い切って告白したの。ずっと男友達としかいなかった大和の、唯一、側にいる女の子になれたから」


当時を思い出しているのだろうか、課長のいる方を見ながら話を続ける綾さんを、私は真っ直ぐに見ることができずに俯いた。



「大和、最初は困ってた。でも、最終的には、私を受け入れてくれた。それが私達の始まり」




佐山さんや春山さんは、キャーキャー言いながら綾さんの話を聞いている。



「大和、とても優しくて。ますます彼を好きになった。ずっと一緒にいたくて、就職先も同じところを受けたの。」



課長との馴初めを語る綾さんは自信に満ち溢れていた。