金曜日の夜。
仕事が終わり、石川や津山たちと明日の準備のために、買い物へ行く事になった。
普段は電車通勤の俺だが、今日ばかりは荷物ができるので車で通勤した。
俺たちは食料品担当。他のヤツがコンロや炭、皿などの物品を用意することになった。
助手席で買い物リストを読み上げる石川。
肉や野菜、飲み物等、かなりの量。
ちょっと距離はあるが、車でコストコへ向かう。
買い物を終え、食事をし、津山と石川をそれぞれの家まで送り、マンションへ帰ったのは午後10時半。
「お帰りなさい」
綾がパタパタと足音をさせ、玄関まで迎えに来る。
「あぁ」
綾の目を見ようともせず、靴を脱いで着替える為にベッドルームへ行く。
「何時ごろ来た?」
ラフな服に着替え、リビングへ行くと綾がテレビを見ていたので聞いてみた。
「8時半ごろかな。途中で晩御飯を食べてから来たから」
「そうか...」
「相変わらずキレイにしてるのね。掃除しようと思ったけれど、必要ないわね」
「帰って寝るだけだから、汚れることがないだけだ」
「ご飯はどうしてるの?ちゃんと食べてる?」
「たまに簡単なものを作ったりはしてるさ。たまに翔の店に行ってるんだ」
「...そう。翔、元気にしてるの?私、嫌われちゃったから、店に行きたくても行けないわね」
少し悲しそうな表情を見せ、俯く綾。
そんな綾を尻目に、買ってきた大量の飲み物を冷蔵庫へ入れる。
野菜や肉は、切ったりしないといけないので、津山と石川が請け負ってくれた。津山は嫁さんに野菜の準備を頼むと言っていたし、石川は実家暮らしだから、母親に肉を切ってもらうと言っていた。
明日の準備をし、ソファに座る。
横に綾が座ってきた。
「ねぇ、大和...。抱いて」
