「どうした?」

瞬きもせず、じっと俺の手元を見る美空を不審に思い、顔を覗き込む。



すると、びっくりしたのか、紅茶をこぼしてしまった美空。


どうやら、足にも紅茶がかかってしまったらしい。


慌てて周りを見渡すと、畳んだ洗濯物の山があった。
そこにあったタオルで、急いで美空の足を押さえるようにして拭く。

タオルを外すと、火傷して赤くなった美空の足が目に入った。

冷やさないと!!


美空の許可も得ず、勝手に台所を漁り、ビニール袋に氷を入れてリビングに戻った俺。


病院に行かなくてもいいという美空。

本当に大丈夫なのか?
足首も痛めてるだろ?


迷惑なんて本当に思ってない。

ただ、お前が心配なだけだから。



どうして泣く?

痛むのか?


何故、そんな悲しそうな目をするんだ?


頼むから、もう、




泣くな。