美空が戻ってきた。


翔も勝手な事ばかり言いやがる。


何が高級取りだ。


ま、美空と割り勘する気なんて、さらさら無いが。





冷酒の香り、喉越しを味わう俺を美空が見ている。


美空の頬がほんのりと赤い。

少し酔ったか?

それとも体調が悪いのか?




こんな時間まで付き合わせたことを謝ると、逆に美空が謝ってきた。



お前が謝る必要はないんだ。


俺が勝手にお前の心配をしているだけだから。






なんて言えるわけもなく、上司としては当り前なんて、差し障りの無いことしか言えなかった。