青のキセキ

山芋のグラタンを美味しそうに食べる美空。その姿を見るだけで、俺まで幸せな気分になる。

翔の料理を飽きないと言いながら頬張る彼女。

美味しい料理を食べられる親友を羨ましいと素直に認める彼女。



美空の弁当を見たことがあるが、かなりうまそうだったのを思い出す。

綾は早起きするのが嫌だと言って、弁当なんて作ってくれなかった。



1人暮らしで、きちんと節約しながら自炊している美空。面倒くさがらずに弁当を作る美空に感心して、思わず頭をポンポンと軽く叩いた俺。


翔が美空に触れるなと言ったときは、一瞬ムカッとした。


美空はお前のものじゃないだろ?


ていうより、美空、嫌がってたのか?









「嫌なわけじゃなくて」









美空が言った。



嫌じゃない?本当に?

ホッとする。





ていうか、繊細とか触れられても大丈夫とか、一体何なんだよ。

過去に何があったのか、知りたくて仕方がない。



美空を苦しめてる理由を。