「おい、大和。遥菜ちゃんに触れるな」 いきなり、翔さんがカウンターの向こうから声を出す。 「は?触れるなって...。頭を軽く叩いただけだろ?」 「遥菜ちゃんは繊細なんだよ!ほら、見てみろ。遥菜ちゃん、嫌がってんだろ」 私が下を向いているので嫌がっているように見えたのだろう。 「嫌なわけじゃなくて...」 課長を庇うように、顔を上げる。 「遙菜、大丈夫なの?海堂さんに触れられても」 久香も驚いた様子で私を見てる。 だって、男の人に触れられて平気だった事が、あれ以来なかったから。