青のキセキ

「お前の笑った顔、初めて見た」

じっと私を見つめる、深い茶色の眼。



「今までにも何度も笑ってますよ」

ちょっぴり、口を尖らせて言う。



「これまでは、愛想笑いだろ?本当の笑顔とは違うよ」


「………」



やっぱり、課長は優しすぎる。



どうして、只の部下でしかないのに、そこまでわかってしまうのだろう。








「じゃ、キノコ料理以外で注文しますね」


話題を変えようと、わざと明るい声で言った。




「助かるよ」


ニッコリと微笑みを浮かべる課長。




その笑顔が素敵だなんて思ってしまう。