結局、パソコン入力は終業時刻ギリギリまでかかった。




「美空。送っていくから帰る準備をしろ」

課長が机の上を片付けながら言う。






「部長、俺、美空を送っていきます」


課長が部長に言う。




「ああ。海堂くん、そうしてくれ」

部長も了承する。




「私、大丈夫です。1人で帰れますから」




今、課長と2人にはなりたくない。





「美空さん。送って行ってもらいなさい。幸い、今日は金曜日だ。週末はゆっくりと身体を休めなさい。」



私の気持ちなんて知る由もない部長に、



「はい」


と、頷く事しかできなかった。