店内の時計は既に23時。
「そろそろ帰らなきゃ」
佐山さんも時計をみて帰り支度を始める。
「調子乗りすぎた!明日も仕事なのに」
「俺も飲み過ぎっす。ていうか、飲まされた感が...。はぁ~。明日二日酔い決定...」
春山さんと石川さんが、ちょっと顔をしかめながら言う。
「お前ら、明日、遅刻するなよ」
かなり飲んでたはずなのに、全然酔ってない課長。
「美空。お前、家どこ?」
ふいに課長に聞かれ、
「私、A町です」
と、思わず答えてしまう。
「通り道だから、帰りタクシーで送るよ」
「お前ら3人は逆方向だったよな。石川、佐山と春山を頼んだぞ」
課長が石川さんに声をかける。
「あ、はい」
石川さんが一瞬私の方を見たのに、気付くはずも無く。
「今日は俺の奢りだ。会計を済ませるから、先に出ててくれ」
伝票を持ってレジの方へ行く課長。
店の外へ出ようとしたとき、久香に呼ばれた。
