「…なっ!!」 止めようとしたけど、斎藤の腕がそうさせない。 「……鏡見てみろよ。お前…今すっげーエロい顔してんぞ…?」 え…? 斎藤の顔を見ていたけど、その言葉であたしは鏡に振り返った。 そこにあるのは、いつもの表情とは違う自分の顔。 紅く染まった頬。 少しだけ涙目になっている自分の瞳。 だけど…… どこがエロいんだろう? 確かに、下着姿だし、まぁ裸みたいな感じだけど…… あたし、胸ないし、声だって女の子っぽくないし… 男に欲情されるところなんて何もないよ?