ちょっと待って…… あたしなんで、斎藤にキスされてんの? 「…んんっ…!!!」 そんなあたしの思考回路を断ち切らせるように斎藤は噛みつくようなキスをした。 すると、歯列を割られ、斎藤の生温かい舌が入ってきた。 抵抗しないと思っているのか、斎藤は手を握らない。 あたしは、斎藤のキスに翻弄されながらも、手を思い切り振り上げた。 ―ペチンッ。 軽快な音が、誰もいない部屋に鳴り響く。 あたしが、斎藤の頭をはたいたからだ。