初恋草





いや、でも……


アイツ香水嫌いそうだよなぁ。


つか、俺も嫌い。



サプライズは、また次の機会にしようと決めて、俺は隣にいる陽に話しかけた。



「…陽。」



「お?なんだ、純夜?」



「あっち戻ったら……良かったら、お前ん家泊めてくれないか?」


「別に良いけど……なんかあったのか?」

「…いや、なんもねぇよ。ただ…家に帰りたくないんだ。」


「ふーん……?まぁ、深くは聞かないけど…」


「あぁ。」


これで、あの家に帰らなくて済む……。


俺が、家に帰りたくないという幼稚なことを考えたのはたった一つ。




それは――――…。





―純夜side―終わり。